レオナルド・デカルト・オイラー
理工系数学基礎講座 LDE
線形代数・微分積分・方程式
数学への憧れと熱意を語った三人の天才
彼らの言葉とともに現代の基礎数学とその応用を解説
広島大学で准教授だった頃に雑誌『理系への数学』(現在『現代数学』)
に連載していた内容に加筆・修正してまとめられたものです.
「若さ」は「未熟さ」と表裏一体なのかもしれませんが,
それがこの本の良いところだと思っています.
偉大な学問や学者に対する「憧れ」といったものが薄れつつある時代ですが,
もっと「熱意」をもって総合的に学ぶべきではないかというのが主張です.
理工系大学生の方へ 数学や理工学に対する「熱意」を知ってほしいです.
・学部1年生の方へ 今学んでいる微分積分学・線形代数学の予習の副読本として!
・学部2年生の方へ 微分積分学・線形代数学の復習と複素関数・微分方程式の予習の副読本として!
・学部3-4年生以上の方へ 微分積分学・線形代数学・複素関数・微分方程式の全体的な復習の副読本として!
理工系の先生方へ 教科書ではなく,副読本としてご利用ください.
訂正・コメントなど
「レオナルド・デカルト・オイラー」と「レオナルド,デカルト,オイラー」
p.4,左右反転と言えばレオナルドの鏡文字.「101」は回文素数(最小の回文非正則素数).
目 次
まえがき iii
1 学び問うために−なぜ数学か?− 1
1.1 本書の目標 2
1.2 広い世界を知る 3
1.3 深い世界を探る 6
1.4 工学と数学 8
c.1 オイラーへのデカルトの影響,レオナルドの無影響 11
2 関数−その豊かな世界− 12
2.1 関数の実例 13
2.2 関数の解析 15
2.3 関数の素朴な定義 16
2.4 基礎となる関数 18
3 無限級数−高等解析の基礎− 24
3.1 多項式関数の変形 25
3.2 無限級数への拡張 27
3.3 等式の成立範囲 28
3.4 級数の収束 30
3.5 関数の特異点 31
3.6 具体的な無限級数 33
c.2 微分積分学誕生とデカルトの『幾何学』 36
4 解析関数−結ばれる超越関数− 37
4.1 微分と解析関数 38
4.2 オイラーの公式 41
4.3 対数関数の拡張 44
5 複素関数−豊かな視点− 49
5.1 無限級数からの広がり 50
5.2 ローラン展開 51
5.3 微分・積分と展開係数 53
5.4 多彩な級数 56
c.3 オイラーとリーマンのゼータ関数 60
6 線形写像−普遍化された比例− 61
6.1 級数たちの基礎 62
6.2 級数の類似点と相違点 64
6.3 線形空間の定義 67
6.4 線形空間としての関数の集合 68
6.5 数ベクトルと行列による表示 69
7 線形変換−可能性の空間− 73
7.1 比例と分割 74
7.2 線形変換と基底 77
7.3 線形写像の合成 80
7.4 固有値と固有ベクトル 82
c.4 レオナルド・デカルト・オイラーの星たち 85
8 行列の標準化−部分空間の和− 86
8.1 科学の基礎 87
8.2 上三角行列 91
8.3 基底の選択 96
9 座標変換−無数の基底− 98
9.1 幾何と座標 99
9.2 座標と基底 102
9.3 基底と表現行列 105
9.4 複素数体上の線形写像の例 107
c.5 デカルト『幾何学』における座標 110
10 微分と行列−ジョルダン行列の応用− 111
10.1 近代哲学の父 112
10.2 微分演算による写像 113
10.3 線形微分方程式 119
11 微分方程式−無限級数の応用− 123
11.1 高等数学の有用性 124
11.2 高階線形常微分方程式I 126
11.3 高階線形常微分方程式II 129
11.4 オイラー・マクローリン法 131
c.6 二人の公女,女王と女帝 134
12 無限解析−多彩な級数− 135
12.1 オイラー・マクローリン法の応用 136
12.2 ベルヌーイ多項式 137
12.3 部分積分法による証明 140
12.4 微分方程式の近似解 142
あとがき 147
参考文献 148
索引 149
現代数学社のページ
目次