ガロア群と銀河群

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How to explore

[Real quadratic Gal]  有理数体の代数閉包の自己同型群(絶対ガロア群)は、 具体的にはほとんど分からないものの一つでしょう。 しかし、多くの研究者は、さまざまな定理や実例、予想などから 想像をふくらませて、非常に美しく不思議な対象であると 感じています。 もちろん、その全てを知ることはまず不可能でしょう。 「全てを知る」とは何かを定義していませんが、 思いつくようなあらゆる意味でそうなりそうな気がします。

 それでもなお、ほんの少しでも具体的に知りたいという気持ちは、 この一年間私をコンピューターによる計算に駆り立てました。 こんなことをして・・・、と思わないでもなかったですが、 やはりどうしても知りたかったのです。 ふとオイラーがゼータ関数の値を17個も計算したのも、 こんな気持ちからではないかと思ったりします。

 宇宙のことを知りたいと思った人々は、空を見上げて太陽や星々を 観察しました。もっと遠くの天体を詳しく見たいと思って望遠鏡を作り、 それは巨大化していきました。 前世紀には、可視光で見えない天体を電波望遠鏡を用いて、 観測するようになりました。 また、地上では観測の精度がどうしても悪くなるため、 宇宙空間まで望遠鏡を打ち上げ観測をしています。 1987年には、超新星爆発の際放出された11個のニュートリノが、 カミオカンデで検出されました。 さらにあくなき好奇心は、大施設を建造して重力波の直接観測 を目指そうとしています。 それは、より具体的な宇宙の姿を知りたいという強い欲求です。 そのおかげで現在では、白色矮星、中性子星、ブラックホールなどの 星々のことや、銀河や銀河群、宇宙の大規模構造、宇宙の誕生の様子など、 多くのことを知ることができました。 その一方で、さらに多くの謎を提供してくれました。 原理的な方程式はもちろん大事ですが、実験や観察がいかに 大事かということをこれらの研究は教えてくれます。

 予算規模はまったく違いますが(もちろん圧倒的に少ない)、 私もガロア群を少しでも眺めてみたいと思いました。 そのうちに、ゼータの値たちがある種の銀河を構成しているように 思えてきました。もしこの宇宙の最初の探検家オイラーが現代にいるなら、 ゼータの値たちの集合を銀河と呼ぶのではないか、 そしてそれぞれの値の対応をeclipseと見るのではないか・・・ そんな空想をしました。

追記  オイラーは本当にそう考えていたかもしれません。 (2007年1月23日) 

Euler is the first explorer.
[System f1]
[System f5]
[System f8]
Irregular pairs and exceptional pairs for quadratic characters f1,f5,f8: p<2,000,000


登録日:2005年2月24日
タイトル:ガロア群と銀河群
手段:ウェブページ
内容紹介:
http://hiro2.pm.tokushima-u.ac.jp/~hiroki/major/galois.html
EP:6991
[EulerWS2012]

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