「自然数」・・・これはだれもが知っている単純なもののはずです。しかし、実はつきつめると非常に複雑で興味深いものであることが分かってきます。
この自然数の中で、自分と1以外の掛け算でしか表せないような数を「素数」と呼んでいます。逆にそうでない数を「合成数」と呼びます。1は素数とは呼ばないのが通例です。素数の例は、2,3,5,7,11,13,17・・・、合成数の例として4,6,8,10,12,14,15,16・・・などなどです。この比較的単純な定義のあとに、
という定理が得られます!この定理の証明は、ギリシア(BC300頃)Eukleides(Euclid)の証明に溯ることができます。まず、p1=2 として、以後
実はこの問題の探求は現在も引き続き研究されています。素数は無限個あることはわかったけれども、実数xまでに素数は何個(π(x)とかくことにします)あるだろうかという問題です。この問題に関してはHadamard とPoussinによって独立に証明された素数定理
があります。そして、名高いRiemann予想(Riemannのゼータ関数の零点は自明な零点を除けば実軸が1/2のものに限られるであろう)が成り立てばより精密な等式
が成り立つのです!ここでLi(x)=limδ→0∫du/log u、
積分範囲は0〜1-δと1+δ〜x。
Li(x)=x/log x+1! x/log2 x+...+(k-1)! x/logk x+O(x/logk x)。
このように古い起源をもつ素朴な問題が今もなお研究されているのです。